忘却の勇者


五感を研ぎ澄ませ、どこから現れるかもしれない敵に確実に対処するのが、この状況下における模範解答だ。


その隙にオレオはフローレンスを担ぐと、元来た道へ戻って行く。


勇者の目に煙など無意味。的確に出口を探し当てる。


「気をつけて!」


走りながら二人に聞こえるように声をあげる。


無論二人も煙の中。


オレオが立ち去って行く足音を聞きながら、一先ずフローレンスの救出は成功したのだと悟った。


「……で、オレ達もなにも出来ないんだけど?」


「その辺は大丈夫だ」


またガサゴソとポーチをまさぐり、コーズは黒いサングラスを取りだした。


すぐ隣にいるが、煙のせいでコーズがなにをしているのかよくわからないエクター。


コーズはサングラスをかけると「おお、見える見える」と感嘆の声を上げた。