忘却の勇者


だとしても、ロクでもないことを仕出かそうとしていることは間違いないだろう。


オレオは横目でエクターとフローレンスの様子を伺う。


気を失っているのか、エクターの問いかけに反応を示さない。


もしイクトと一線を交えてやられたのなら刀傷があるはずだが、彼女に目立った外傷は見当たらない。


「フローレンスさんに何をした」


オレオの問いに、イクトは口元に冷笑を刻む。


「それはこちらの台詞だ。この女、洞窟内の魔物を一人で殲滅しやがって。俺が魔物達を統率しなきゃ、俺までやられるとこだったぜ」


「……つまり、数の暴力で無理やり押しきったってこと?」


「正真正銘の噛ませ犬だな」


「良く分かんないけど、お前本当は雑魚いんだな」


どう見ても小物です。小物臭がプンプンします。


けれど洞窟に巣くう魔物達の力を結集させても、たった一人の人間を仕留め切ることが出来ぬとは、やはり十三騎士の名は伊達ではない。