サイの足元に魔方陣が浮き上がる。


辺りが白い世界に包まれると、光が晴れた頃にはサイの姿が無くなっていた。


転送魔法。高度で通常は魔具の補助を通じてやっと発動できる魔法を、サイは僅か数秒で発動させた。


やっぱり凄いと感じながら、やっと掴んだ手がかりにオレオは小さくガッツポーズを作った。


東の賢者に会えば、魔王討伐の道が切り開ける。


高ぶる闘志を、オレオは静かに燃え上がらせていた。