フードを目深に被っているため顔は見えないが間違いない。 「サイ賢者様……」 ネシオル王国が誇る最高戦力。 魔王と唯一対等に渡り合える人物。 その男が今、目の前にいる。 オレオはその場に崩れ落ち、眼前に立つ男の後姿をマジマジと見つめていた。 「貴方は……一体?」 感覚が告げる。彼も自分と同じ、人智を超えた存在であることを。 握りしめた黒刀が手から滑り落ちた。