猫又は夜に鳴く


「お、賢二君の写真も出てきたぞ」

父がそう言って写真を指差した。

そこには制服を着た私と彼が眩しい笑みを浮かべてピースサインをしている姿が写っていた。

その懐かしい写真に、彼との思い出が浮かんでいく。

彼とは高校二年の時、同じクラスになったのをきっかけに仲良くなった。

ちょっと口が悪くて大雑把なところもあったけど、明るく優しい彼は他の女の子にもよくモテていた。

そんな彼と夏休み二人っきりで遊びに行ったその日、彼から告白され付き合う事になった。

それからは色々あったけど、今こうして彼と一緒にいる。