彼女はヒステリックになる。
「なんでそう普通なの!?」
「は?」
「仲間が死んじゃったんだよ!?」
「べつに私たちには関係ないじゃない」
「関係なるよ!!仲間だよ!?」
「仲間が死んだからって
私たちの使命に支障はある?」
「な…!!」
私はまた冷静な声で言う。
「ミライがヒステリックになるのは分かるよ。
だってミライとカコは仲が良かったじゃない。
だけど私は慣れ合いなんて嫌いだから
そこまで深入りはしていないんだよ。」
カコはいつかそうなると思っていた。
それが今日だった。
私は自転車置き場に行き
自転車の鍵を外す。
そして邪魔な蝉の死骸を
足で蹴飛ばして、自転車を出した。



