すっかりここが私たちの面談の場所になってしまった演習室。

ここが他に何に使われているのかは知らない。



大塚がドアを閉めてから

私は声を荒げる。


「罰を与えないって言ったじゃない!!」


大塚は反論されるのを予想していたのか

戸惑わず、苦笑いをする。


「だけどこっちは生徒に何らかの注意をしなきゃ」


「私、別れないからね」


「知ってる」


冷静な口調で、こいつが初めて年上に見える。



「だけど今回、君たちが付き合っているのを

たまたま見たのが俺だったからいいけれど

他の先生が見ていたらこんなんじゃ済まないよ?」


「だからってなんで親に話すのよ!!

親は全くもって関係ないじゃない!!」


触れられるのが怖かった。


ガラスのような関係。



「もしかして…」


彼は呟く。



「親にも作り物でいるの??」


だったらなに?

いけない事なの?

大人なんて派手な問題を起こさず

表面を良くして近所にも愛想良くしてりゃ何も言わないじゃない。