「誰に…?」 その問いかけには答えられない。 「…朝子が大切に思う人だね」 「違う―」 「そうじゃなきゃ気にしないでしょ?」 彼の笑顔に何も言えなくなる。 そして 「じゃあ俺も教えなきゃね」 っと、ポケットの中から何かを取り出した。