美月さんて……
『変わってるでしょ?』
美月さんの背中をいつまでもぽけーっと口を半開きで見つめる私に話し掛けてきたのは真人さん。
「凄く変わってると思います…」
それこそ、
男の魅力を感じない
だとか、竜さんが明らかに傷つくようなことを、悪気ありきで言うような人っぽくはない。
『でもあれが美月だよ』
確かに変な人だ。
でもあれが竜さんが好きになった人。
起き上がって砂をはらう竜さんを見ながら思う。
「大丈夫ですか?」
腕の砂をはらってあげながら竜さんに声をかけた。
『あ………那子ちゃん……』
少し表情が暗くなる竜さん。
さっきのこと悪いとは思ってくれてるみたい。
『ごめんね…』
「この通り大丈夫ですっ」
『何てったってこの俺が助けたからね』
珍しく大人気ない真人さん。
『あ…、そっか…』
竜さんもなんだかいつもの明るさがない。
『那子どったの?
ごめんとか、助けたとか』
状況を把握しきれてない永樹さんが不思議そうな顔をする。
『なんかあったの?』
一さんも同じみたいだ。



