4人の嵐



美月さんて……


『変わってるでしょ?』


美月さんの背中をいつまでもぽけーっと口を半開きで見つめる私に話し掛けてきたのは真人さん。






「凄く変わってると思います…」


それこそ、

男の魅力を感じない

だとか、竜さんが明らかに傷つくようなことを、悪気ありきで言うような人っぽくはない。





『でもあれが美月だよ』



確かに変な人だ。
でもあれが竜さんが好きになった人。





起き上がって砂をはらう竜さんを見ながら思う。






「大丈夫ですか?」


腕の砂をはらってあげながら竜さんに声をかけた。




『あ………那子ちゃん……』


少し表情が暗くなる竜さん。



さっきのこと悪いとは思ってくれてるみたい。





『ごめんね…』

「この通り大丈夫ですっ」

『何てったってこの俺が助けたからね』


珍しく大人気ない真人さん。





『あ…、そっか…』




竜さんもなんだかいつもの明るさがない。





『那子どったの?
ごめんとか、助けたとか』




状況を把握しきれてない永樹さんが不思議そうな顔をする。




『なんかあったの?』




一さんも同じみたいだ。