4人の嵐



『腕、赤くなっちゃったね』


そっと腕に触れる真人さん。

今触れられた体温にはさっきみたいに嫌悪感は全くなくて。



「助けてくれてありがとうございます…」


『当たり前でしょ?』



「そ…ですよね、当たり前ですよね」



その当たり前をしてくれなかった竜さん。

別に責めてるわけじゃなくて。


ただ、私より美月さん優先な現実にショックを受けただけ。




そう言えば美月さん大丈夫だったのかな。



…竜さんが助けに行ったんだし大丈夫か。




「なんで真人さん、来てくれたんですか?」


真人さんも美月さんが溺れてることに気付いていただろう。



『いや、俺は美月より那子ちゃんが帰って来ない方が気になって…』



真人さんは少し恥ずかしそうに、そう言った後、『ほら、永樹とかあそこに』と紛らわすように指差した。






永樹さんの隣にいるのは一さん。


その2人が見つめるのは、横になっている美月さんと、





美月さんに覆いかぶさって、人工呼吸をしてる竜さんだった。