4人の嵐



「私トイレ行ってくるんで真人さんは先に行ってて下さい」

『…場所分かる?』


さっき看板があったから場所は分かる。




でも真人さんの顔を見るに、私の気持ちが分かってるんだろうな。



別にさほどトイレになんて行きたくないこと



とか。






「大丈夫です」

『分かった。

じゃあ早く来なよ』




私はトイレに向かった。

少し気持ちを落ち着かせたかったから。








ゆっくりトイレを済ませて、皆のとこへ向かおうと砂浜を歩いていると…




『海で1人なの〜?』


うげ……



「いえ、あの…向こうに…」


『スタイルいいね〜』



聞いてないっ!!




話し掛けてきたのは小麦色の肌の男2人。




私なんかでもナンパとかされるんだ。






とか呑気に考えてる場合じゃなくて。




「失礼します」

『んなこと言わないでさぁ。
かき氷でも買って上げるからさぁ』


やたら語尾をのばすのが、いちいちイライラする。



しかもかき氷買ってあげるから、って小学生誘拐犯みたいなことを……





「本当に結構ですから」

『まぁまぁ〜』

「んなっ!」





語尾のばし野郎は、私の腕を掴みひっぱりだした。



「や、やめて下さいっ」





ひぃいっ、これってヤバイ……?