「私トイレ行ってくるんで真人さんは先に行ってて下さい」
『…場所分かる?』
さっき看板があったから場所は分かる。
でも真人さんの顔を見るに、私の気持ちが分かってるんだろうな。
別にさほどトイレになんて行きたくないこと
とか。
「大丈夫です」
『分かった。
じゃあ早く来なよ』
私はトイレに向かった。
少し気持ちを落ち着かせたかったから。
ゆっくりトイレを済ませて、皆のとこへ向かおうと砂浜を歩いていると…
『海で1人なの〜?』
うげ……
「いえ、あの…向こうに…」
『スタイルいいね〜』
聞いてないっ!!
話し掛けてきたのは小麦色の肌の男2人。
私なんかでもナンパとかされるんだ。
とか呑気に考えてる場合じゃなくて。
「失礼します」
『んなこと言わないでさぁ。
かき氷でも買って上げるからさぁ』
やたら語尾をのばすのが、いちいちイライラする。
しかもかき氷買ってあげるから、って小学生誘拐犯みたいなことを……
「本当に結構ですから」
『まぁまぁ〜』
「んなっ!」
語尾のばし野郎は、私の腕を掴みひっぱりだした。
「や、やめて下さいっ」
ひぃいっ、これってヤバイ……?



