真人さんが色々と組み立て終わり、私は浮き輪を膨らましていた。
「しんどい……」
口で膨らましてるから結構な大きさの浮き輪はなかなか膨らまなくて………
私は苦戦していた。
『貸してみ』
「えっ、あ、はい」
横からニュッとのびてきた腕をたどり、顔をみると…
パラソルやらのくみたたてのせいで、少し汗ばんだ真人さん。
うおっと…太陽を背にしての、カッコ良さに驚いてしまった。
そのまま見つめていると…
真人さんは浮き輪に口を近付けて、空気を入れだした。
……ありがたい、ありがたいんだけど
いや、私はましてや永樹さんではないし…
こんなことを連想したら駄目なのかもしれないけど……
「間接キス……」
『ぶっ!ゲホッゲホッ』
私の呟いた言葉にむせる真人さん。
「あわわっ!変なこと言ってすみませんっっ」
『……ビックリしたよ。
気持ち悪かったりした?』
「いえいえ、とんでもない!」
『そっか、じゃあ後ちょっとだから』
真人さんは再び浮き輪に空気を入れだした。



