『はい、じゃあ帰ろっか』


何事もなかったように、背中を向ける永樹さんに殺意さえ芽生える。


…っていうのは言いすぎだけど。

「永樹さんの、変態!馬鹿!頭ん中宇宙人!エロ大魔人!」


スカートの裾をギュッともって、背中に向かって罵声を浴びせる。

精一杯の嫌みなのに、振り返った永樹さんは、ニヤリと笑って。



『褒めてくれてありがと』



…って!



「褒めてませーーん!!」







大魔人にレベルアップしてしまった永樹さんは、私の手にはおえません。