いきなり誰かに捕まれた左腕。



そのまま引っ張られる。




どうなってんの!?!?




されるがまま、引きずられないように必死に足を動かす。




…早いよっ!
もう、無理…





と、諦めかけた時。

私の腕を掴んだ何者かは立ち止まった。



「はぁはぁ…」



『…ふぅ…ココまで来たら…て、ん?』




一息ついた私を引っ張った人は、振り向いて首を傾げた。



『……え!?何で!?』




それはこっちのセリフじゃああ!!



『俺なんか連れてきちゃったっっ』

『気付いてなかったのお前、ずっと引っ張ってたぞ』


『嘘!?なんか咄嗟に…』



「あの〜」

私ほったらかしですか?


『わっ!ごめんねっ!なんか必死で…こんなことに…』


なんか面白い人だなぁ。
何がどうなったら咄嗟に見ず知らずの子を引っ張って一緒に爆走すんのよ。



『家まで送るよ。家、何処?』



てか今何処にいるんだろ。
って、うわすっごい。


「私の家、これです」



なんと爆走の末たどり着いたのは私の家の真ん前。



『えっ?すごい偶然っ』


「じゃあ、まぁそれでわ」



そう言って家に入ろうとしたのに…。




『ちょっと待って!』