4人の嵐



「えっ!?ちょっと!」


多田さんにズバッと言い放った永樹さんは、私の手首と伝票を持って、歩きだす。




流石に多田さんが可哀想な気が…。





でも私のそんな考えとは裏腹に、ずんずん進んでお会計を済ます永樹さん。





『さ、行こ』



永樹さんは、その一言を最後にファミレスを出てからも喋らなくなり、只私の手をひく。







「永樹さんっ!?
どこ向かってるんですかっっ!?」


人気のない路地裏に入る永樹さんは、まだ前を向いたままで。



なんか危ない雰囲気が……。






「永樹さんっ!!………ぶへっ!」


流石に心配なって再度呼べば、次はいきなり止まった永樹さんにぶつかってしまった。





「ここ…どこですか…?」



辺りを見渡せば、人の気配すらなくて、薄暗いどこかの店裏。








『那子』



「は、はいっっ」



いきなり、しかも久しぶりの永樹さんの声に、私は何故か緊張してしまう。





『どうゆうことか説明してくれる?』



未だ掴まれていた私の手は壁に押さえ付けられ、背中も壁にピッタリくっついている。




真ん前には永樹さんの顔があって、息がかかるくらい近い。