「えっ!?ちょっと!」
多田さんにズバッと言い放った永樹さんは、私の手首と伝票を持って、歩きだす。
流石に多田さんが可哀想な気が…。
でも私のそんな考えとは裏腹に、ずんずん進んでお会計を済ます永樹さん。
『さ、行こ』
永樹さんは、その一言を最後にファミレスを出てからも喋らなくなり、只私の手をひく。
「永樹さんっ!?
どこ向かってるんですかっっ!?」
人気のない路地裏に入る永樹さんは、まだ前を向いたままで。
なんか危ない雰囲気が……。
「永樹さんっ!!………ぶへっ!」
流石に心配なって再度呼べば、次はいきなり止まった永樹さんにぶつかってしまった。
「ここ…どこですか…?」
辺りを見渡せば、人の気配すらなくて、薄暗いどこかの店裏。
『那子』
「は、はいっっ」
いきなり、しかも久しぶりの永樹さんの声に、私は何故か緊張してしまう。
『どうゆうことか説明してくれる?』
未だ掴まれていた私の手は壁に押さえ付けられ、背中も壁にピッタリくっついている。
真ん前には永樹さんの顔があって、息がかかるくらい近い。



