『おやすみなさぁい…』
永樹さんはそう言ったのを最後に、抱きついたまま動かなくなった。
しばらくして寝息が聞こえてきた。
寝るの早っ!
でもこれでやっと解放……
って…
「立てない…」
寝ながらも私を抱く手は緩めていないようで。
「ふんぬ〜っ」
む、無理だ!
『よいせっっ!』
やっと一さんと真人さんが助けてくれる気になったみたいで、2人かがりで永樹さんを引っ張る。
『こいつ…力強…!』
2人かがりでも剥がれない永樹さん。
『『ハァハァ…』』
2人がこんなになってもしっかりと私にしがみつく永樹さんに、もう諦めたようで。
『ごめん…那子ちゃん…起きるまで我慢して…』
「見捨てないで下さいぃぃ」
結局永樹さんが目を覚まして正気に戻ったのは、しばらくたってからで。
その頃には竜さんも目を覚まして、一さんと真人さんも帰る準備をはじめたころ。
『あれ…俺何してんの?』