ご褒美………!


まさか今、それを引っ張りだされるなんて。

用意、出来てない…。


「今はまだ……っ」

『那子は用意なんてしなくていいよ?』

「へ…?」


『俺が勝手に貰うから』


永樹さんが考えるご褒美なんて、そんなの絶対………


『その代わり、歯向かったら駄目だからね』


いかがわしい事に決まってる…!

「あ、明日にしませんか…?」

明日なら、なんとか何か用意できる。



そんな私の提案が、受け入れられる


『無理』


なんてそんな甘っちょろい事を大魔王様が許すわけはない。


『俺お預けってご褒美ないと出来ない』


なんてったって変態ですから。


『ご褒美増えるよ?』

「ややややっぱり今で!!」


結局私は永樹さんの思うつぼで。

『んじゃ早速』


まんまと唇は塞がれ、

「…ん……は、」


漏れる息に、先程のキスとの違いを思い知らされる。


「はぁ…っ、――っ!?」


唇は依然、塞がれたままで目では見えないけど、


永樹さんの手が、


「〜〜〜っ!」


太股を撫でている。