4人の嵐



『那子、それ本当?』

「こんな時に嘘言いません」

『…………よし、行くよ』


頭で整理しきったのか、思い立った表情をした永樹さんは私の手を引いた。



「え…!ちょ…っ…!りゅ、竜さん…!私……!」

伝えようとして振り向いて、目に入った竜さんは、優しく笑っていて。

『分かったから、…那子ちゃん、大好きだよ!』


引きずられながら遠退く竜さんを、誰かが包んでくれる事を心から望んだ。


「ありがとうございます…!私も、大好きです!!」

どんどん遠くなる竜さんに精一杯叫ぶ。


竜さんは手を振っている。


優しくて、可愛くて、天然で、照れ屋で、意外とむっつりな竜さん。

可愛いのはマイナスではなくプラスなんだと私は思う。

それに普段可愛い分不意に男らしい所を見せられると、急にかっこ良く見えてしまう。


それを、伝えられれば良かったんだけど。

私は自分で選んだ道を行くから。
どうかいつか、気付かせてあげてくれますように。

無責任で勝手な私じゃなくて。










ありがとうございます。
大好きでした。