4人の嵐



どれくらい抱き締められていただろうか。


時間なんて、分からない。


でも、竜さんからそっと離れるまで私は動かなかった。


『那子ちゃんは、永樹が好きなの…?』

「え、それは…」


まさか、聞かれると思わなかった質問に、焦る。

しかし、次に起こった出来事に、私は心臓が破裂する程驚いた。









『やっぱ俺、大人しく待つだけとか無理だった』


「『え?』」

聞き覚えのある声に、私と竜さんは同じ反応を見せる。



そして、そこに立っていたのは……




『来ちゃった』


悪怯れなく笑う永樹さんで。


そして永樹さんを私の腕を掴み、自身に引き寄せた。


『ここから俺真剣モード突入するから覚悟してね?』


私は只起きてる事を目を見開いて見てるだけで。





『今まではさ、別に誰に何を譲っても良いって思ってた。多少の執着はあっても割り切れてた。
でもさ、やっぱり那子だけは無理、あり得ない、俺を差し置いて竜が那子に触れるのとか…、想像しただけで竜に苛々する』



でもその時の永樹さんは、ゆるくなくて、男の人で。


とんでもなくかっこ良く見えた。