「本当に…、ごめんなさい…!」

頭を下げる私。


だって、告白しておいて、こんな答え……。
私だったら耐えられない。



私はスカートの裾をぎゅっと握って、歯を痛い程噛む。


そうしないと何だか私が泣いてしまいそうで。

でも私が泣くなんて事、出来るわけない。
身勝手過ぎる。


でも、そんな私に竜さんは、

『那子ちゃんにそんな事して欲しくて言ったんじゃないよ。顔、上げて?』

私の頭を優しく撫で、見上げた竜さんは笑っていて。


『………!』

でも、次の瞬間、目の前は真っ暗で、洗剤の香りが鼻を掠めた。


「竜さん……」


痛く締まる体は、竜さんの思いと比例してるようで。



抱き締められる腕を、振りほどけなかった。



一瞬見えた辛そうな顔が、どうしても消えなくて。