『今日の1位は…、雨宮永樹さんでーす!!』
2日目の学祭も無事終了し、結果発表。
『やったね。ご褒美っ』
そんな中、青い顔をするのは……
「忘れてた…っ!」
勿論私で。
『ふっふー』
妙な笑い方が怖すぎる。
「あ、あの…永樹さんは、私が好きなんですよね……?」
迫りくる永樹さんに皆には聞こえないように言う。
『昨日言ったの忘れたの?』
「い、いえ…そういうワケじゃなくてですね…!」
どうしたら、このピンチを逃れられるだろうか。
私が頭をフル稼働させていた所で、永樹さんと私の間に一本の手が横入りした。
『那子ちゃん困ってるだろ』
「竜さん…」
それは、竜さんの手で。
『2位は黙っててくれない?』
『昨日はお前が2位だっただろ!』
『昨日の引き摺ってるんだ』
『……!』
睨み合う2人は、一歩も引こうとはせず。
クラスの皆が見てる中で、喧嘩にだけは、なって欲しくない。
「ご、ご褒美は考えておきますから…!」
『そ?じゃあとびきりのよろしくね』
私はホッと息をついた。