真人さんは私に起こった事を細かく知っていて。
きっと、嵐の誰かに聞いたんだろうと思う。
『それでね、那子ちゃん…。
永樹は、あぁ見えて割と…優しい…と言うか、肝心なとこで一歩引いてしまうと言うか…』
真人さんが言いたい事はなんとなく分かった。
『だから、永樹の事もちゃんと考えてやって欲しいんだ。あいつはあぁ言ったけど、あいつは本当に那子ちゃんが好きで仕方ないんだ。それに、きっと―――…』
そこまで言った真人さんは黙ってしまって。
その先を催促するも、喋ってくれる事はなかった。
真人さんは最後に、
『次の日曜日、近くの遊園地あるでしょ?そこに行ってやって。
それまでにもう一回考えてやってくれないかな』
とだけ告げて、私が了承したので、電話を切った。
――――と、
こんな事があった矢先、竜さんに告げられたのだ。
事態は一転。
失恋したのに、数時間後には2人に言い寄られる、と言う贅沢な状況に。
でもそんな贅沢な状況も、私を混乱させるばかりで。
それに落ち着いて考えれば、竜さんの水族館に永樹さんの遊園地…。
日付が同じ。
これは、偶然なのかな…。



