竜side
那子ちゃんに好きだと言われた。
いつから?いつの間に俺は那子ちゃんの事を傷つけてたんだ?
好きな人に元カノの相談を受けて平気な筈がない。
それでも那子ちゃんは嫌な顔1つせずに聞いてくれた。
「俺ってなんで……」
座り込んで頭を掻く。
自分の無知さにいい加減苛々する。
いつもそうだ。
俺は何も分かってない。
美月の事だって、那子ちゃんの事だって。
そんな俺を、好きだと言ってくれた那子ちゃんを俺は―――…
『どんだけ傷つければ気が済むんだよ…っ』
那子ちゃんは泣いてなかった。
俺のためを思ってくれたんだ。
ずっと年下の那子ちゃんが出来てる気遣いを、何で俺は出来ないんだ。
1人でいると、どんどん沼に填まっていく。
足をとられて身動きが出来なくなる。
俺はおもむろに携帯を手にとると、一に発信した。
『はいはーい』
一の陽気な声で、今は少しだけ心が晴れる。
「今から家行って良い…?」
『良いけど…、何があった?』
「そっち行って言う」
『おう、じゃあ待っとくからな』



