竜さんは永樹さんみたいに2人きりになった途端、変態チックな事なんてしない。


『那子ちゃん、急になんだ、って思ってる?』

「え?いえ…その…」

図星をさされて動揺を隠せない。
どうも嘘は向いてない。


「…ちょっとだけ、思ってます」
誤魔化すのを諦めた私は、素直にそう吐いた。

『だよね、あのね…なんか急に那子ちゃんと2人になりたいなぁ……なんて……』

「へ!?」

『…え!?』

私が赤くなったのを見て、竜さんまで赤くなる。

だ、だって、竜さんが、2人になりたいだなんて…!


『今のは…!その!ぁあ"ー!俺また恥ずかしい事言っちゃった…!』

頭をガシガシ掻き毟って、そのまま両手で顔を隠す竜さん。

そして手の隙間からチラッと私を覗く。


あぁもう可愛い…!!


可愛いと言われるのは竜さんにとって禁句だから言わないけど…。
私に悪意はない。
本当に、純粋に、可愛いと思ってしまうのだから仕方ない。
それは私のドキドキを増すもので、竜さんの魅力でもある。


『今のやっぱなしね……っ?』


恥ずかしそうに私を見る竜さんに、きゅんきゅんしないなんて無理だ。