『那子ちゃん、上の空でどうしたの?』


「いやっ!その……」

"なんで今この状況に!?"


だなんて言えない…。


『迷惑だった…?』

「いえ!とんでもないっ!」


私にとっても、嬉しい事で。

『やっぱり、急過ぎたかな…』

「本当に、私は全然…っ!」

私は部屋で愛用してるクッションを抱き締める。

『本当?ごめんね、急に那子ちゃんの家に行きたい、だなんて無理言って。こんな時間なのに…』


そう、まさに今、竜さんと自室で2人きり。

だから愛用のクッションがあるわけで……。



自分でもあれよあれよとこの状況になって、実際の所記憶が曖昧だ。

ただ、唯が去ってから、竜さんに『今から家行っていい?ほら、あの時の約束…』だなんて言われて。
浮かれてしまった私は、気付いたら自室にいた。


それにしても何で急に……!


嬉しい反面、行動の意図が分からず、混乱している。


他の嵐達を呼ぶつもりは無さそうだし…

正真正銘2人きりだ。