ご褒美なんて、全然思いつかない。
お菓子の詰め合わせとか…?
でもそんなので納得できる程子供でもないだろうし…。
「分っかんない…」
トボトボ廊下を歩いていると、後ろから小走りの足音が。
「あ、女子ナンバーワン」
『その言い方止めてよぉ』
振り向いてみると、そこには唯がいて。
『那子がメンバーだったら那子だったと思うけど』
「んな筈ないじゃん」
『………』
唯の何か言いたげな表情は私に謎を呼ぶ。
『那子ちゃん…!』
「竜さん…!どうしたんですか?」
しかしそこに竜さんが現れたせいで私はその謎について考える余裕はなくなった。
それにしても…どうしたんだろう。
息なんてきらして…。
『あ、えっと……』
何か言おうとして言葉を詰まらせる竜さんは、チラチラと唯を気にしてるようで。
『私、先行くねっ』
『ごめんね、唯ちゃん』
「え?唯?」
なんで行っちゃうの?
一緒に帰るために追い掛けてきたのかと思ったのに。
しかし唯の姿はもう遠くて。
竜さんと2人きりになってしまった。
『あのね……!』