4人の嵐



アキラさんに先に歩いてもらって、へっぴり腰で井戸に近づく。


怖い!怖すぎる!!


だって、絶対なんかあるじゃん!
逆に無いはずないじゃん!!!



そして……
いよいよ横を過ぎる――……


「あ、れ…?」


意気込んでいたのに拍子抜けだ。

「何もない…?」


しかしそれならその方が嬉しい。
私は何だか得した気分で前を向いた……

その時、


バシッ!!

「……!!!!」


腕に感じる、生暖かい締め付け。


その正体は……、



井戸から伸びる薄汚れた白い手。

「っっきゃーー!!!!!」


『わ!!…な、那子ちゃん!?!?』


「きゃーーきゃーーきゃーー!!死ぬ!連れてかれる!腕もがれる!!!!」


私はただ、必死で。
本当に怖かっただけで。


『那子ちゃん…!もう大丈夫だから』

「あ…、へ?…うわ!すいません!」


アキラさんに、抱きつくつもりなんて無かったんです。


『大丈夫大丈夫』


愛想良く笑ってるアキラさんの制シャツはヨレヨレで。

私の騒ぎっぷりを物語っている。