呼吸のリズムは耳元で。
「あつ……」
密着したら、暑い。
『皆が向こうにいるのにね…。
ドキドキしない?』
だったら、この内側から来る熱さは何者なのか。
『俺喋りたくもない奴といっぱい喋ったんだからいいじゃん。
足りないくらいだし』
「…私が言ったのはご馳走するとかで………っ」
こんなのが"埋め合わせ"になるのかさえ私には謎だ。
『那子にご馳走される気なんて更々ないし』
「えっ酷……」
確かに私がご馳走できる物なんてたかだか知れてるけど…
気持ちを受け取ってくれたらいいのに…!
なんて少しショックを受けたのも束の間。
『那子をご馳走して?』
耳元で、低く重く…。
色のある声は私の背筋をなぞる。
「……嫌…です…っ」
そういう事かと納得する反面、冷静でなんていられなくて。
『ヤバイ、首噛み付きたい』
「…っ!!!」
ヤバイのは間違いなくお前だぁ!
「えっ?ちょ…、本気!?!?」
耳元にあった永樹さんの口が、首筋に移動したのが背中でも分かった。



