『あ、那子ちゃん』
竜さんは私に気が付いて笑顔で振り向く。
「体調とか、大丈夫ですか?」
『うん!言ってもお話したり一緒に歩いたりするだけだし…。いい子が多くて楽しいよ?』
「あ……それは、良かったです……」
………全然良くない。
『じゃあ、お客さんまだいっぱいつっかえてるみたいだし行くね!』
竜さんがクラスのために頑張ってくれてるのも分かるし、疑似恋愛と言っても竜さんが過剰なサービスをする事はないってのも分かってる。
だけど、私の知らない女の子と楽しくお喋りしてるのを想像したら……
やっぱり悲しくて。
お客さん……羨ましいな。



