暫くして、その場に苦しそうに顔を歪ませ、息を切らしながら到着した、竜さんに真人さん。
『一…っ!!』
一さんを視界にいれた途端、詰め寄る真人さん。
竜さんより真人さんの方がよほど走り回ったように思う。
――額に光る汗の量を比べれば一目瞭然だ。
『真人…こーわーいー』
一さんの肩を両手でガッシリ掴む真人さんには、いつもの落ち着きは微塵もなくて。
一さんはなんとか平静を取り戻してもらおうとしてるのが分かる。
『真相、聞いたんでしょ?
早とちりだってば』
『だからってなぁ……!俺がどんだけ心配したと思って――!!!』
『ごめんてば!』
2人は微笑ましいやり取りをやいやいと続ける。
暫くして一さんと真人さんは、お互い面白くなってきてしまったのか、いつの間にか笑っていて。
それを見てる竜さんも、永樹さんも笑っている。
私だってそんな嵐達を見て嬉しくって、勿論笑顔で。
いる場所にしては異彩を放つ微笑ましく爽やかな光景。
本当に何事もなくて良かった。
後で一さんが皆にありがとう、と恥ずかしそうに言い、この事件は幕を閉じた。