だって、
ありがとうって。
今までありがとう、みたいな意味にも取れてしまう。
「どうなんですかっ!」
私の興奮はおさまることはなくてこれでもかと一さんを問い詰める。
『ありがとうってのは、真人には色々迷惑かけてたから、ふっきったって意味で…。
言ったでしょ?那子ちゃんに貰ったから大丈夫だって』
私を落ち着かせるように言った後、『真人なら分かってくれると思ったんだけどな…』と頭を掻く一さん。
「だって、私、何もしてません!」
私だって分からない。
本当に何もしてない。
「勝手に泣いてただけで『何?那子泣いたの?なんで?』永樹さんは黙ってて下さい!」
横から茶々をいれてくる永樹さんにかつをいれて、再び一さんを正面に見る。
すると、再び見た一さんは、優しく微笑んでいて。
『だから、その那子ちゃんの真っ直ぐな気持ちが、俺のために泣いてくれる優しさが、そんな那子ちゃんが思って泣いてる相手が俺なら俺も捨てたもんじゃないのかもって…思わせてくれた。救われたんだ』
一さんは私に気を使ってる様子は勿論なくて、
ムードメーカーらしくムードをどうにかしようなんてしてる様子もない。
だからこれはちゃんと一さんの本音…。



