一さん何処……?
それにしても…なんか怖い。
何故か背後に恐怖を感じながら、町を歩く。
変な人に声かけられたらどうしよう。
「一さん…」
私が心配して探しにきたくせに、早く一さんを見つけて安心したいと思ってしまっている。
びくびくしながら、周りを見渡す。
…一さんらしき人はいない。
すると……
パシッ
と、手首に違和感。
「――っ!!!
ごめんなさいごめんなさい!
1人で来てごめんなさい!!」
やだやだやだやだやだ!!!
手なんて掴まれたら、もう恐怖しかなくて。
目をギュッと瞑って、腕をブンブン振り回す。
「離して……っっ!」
掴んでるのが誰かなんて、確認する余裕なんてない。
しかし、
『ちょっ!那子……!!』
この声で、一気に落ち着いた。
「え……き…さん?」
私の腕を掴むのは、永樹さんだった。
「……永樹さん永樹さん永樹さんっっ!」
私は思わず永樹さんに抱きついてしまった。



