そんな一さんが私を頼ってくれてる。
そんなの、話聞かないわけがない。
『…俺の我儘でごめんね?』
「いえっ」
我儘なんて、本当は言ってほしい。
私はいつも皆に頼ってばっかりだから。
『俺の2つ離れた兄ちゃんちょっと困った君でさ、しかも俺の家母子家庭でね。母さんは気ぃ弱くて兄ちゃんに何も言えなくて。まぁ、22歳なってまで馬鹿やってんじゃねえぞ、くらい俺も言えたらいいんだけど……』
一さんのこんな話を聞いたのは初めてで。
『そんな俺も中学と高1くらいまでは、悪さしてる兄ちゃんがかっこ良くみえてて、でも母さんのこと思ったら兄ちゃんの真似なんて出来なくて、勝手にストレス溜まって、…………女の子で発散しててさ』
中学と高1の頃の一さん…。
今話してくれたその頃の一さんは、今の一さんじゃないみたいで。
『でも竜がバスケ誘ってくれて、いとも簡単に抜け出せたんだけどね』
そう言って笑む一さんだけど、きっと簡単なんかじゃなかったんだと思う。
『でも最近になって、その頃の女の子から連絡あったりして、勿論誘いは断ってるけど、なんか、あ、俺汚ねーとか思ってさ』



