『小田さん…だよね?頭いいんだ』
「そうだけど、唯名前よく覚えてるよね」
1回会っただけなのに。
『まぁ…、一応』
「全員、言える?」
『川岸竜さん、小田真人さん、雨宮永樹さん………』
あれ?
唯の口はそこから動かない。
…かと思ったら窓の外を見ていて。
「どうしたの?」
『いや、あれがその、後1人の、相沢一さんじゃない?』
唯が指差す先にはバイクに跨る一さんが……校門にいて……
って
「なんで!?」
一さんがここに用事があるんだったら、私くらいしかいないはず。
私は唯に1言残して
とにかく一さんの元へ急ぐ。
「一さん!」
『あっ、良かった那子ちゃんいたー!』
「どうしたんですかっ?なんで学校まで……」
私を見てほっとした顔を見せる一さんだけど、メールしてくれれば良かったのに。
『急に那子ちゃんに会いたくなって』
「へ!?」
一さんにこんなこと言われるなんて思いもしなかったから、驚いた。
『那子ちゃん家行っていい?』
「あ、はい」
……2人きりっぽいけど、いいよね?
なんか一さん話したいことがあるんじゃないかな?
根拠はないけど直感で。