4人の嵐




『俺…最低だよね』

「いえっ、あのっ!」

『俺、必死で…美月が死ん…!あ、美月ってのは「竜さんのあの……元かのさんですよね…?すみません、真人さんに聞きました」


私が美月さんを知らないと思って、途中で説明を入れようとした竜さんを止める。



『えっ?あぁ、そっか…。



それ…でね、あの…、美月の方に必死になっちゃって、……本当最低だね…。ごめんね。



嫌いに…なった?』



この人は最低だ…………と言うより



ずるい。




そんな目で

嫌いになる?

なんて言わないでよ。



元々嫌いになんてなるワケないんだけど



「嫌いになったら……悲しいですか?」



私もずるいか。

こんな質問しちゃって。




だけどそんな私に竜さんはなんの濁りもない言葉を、衝撃を、ぶつけるんだ。







『…うん。


すっごい悲しい。嫌だ。そんなの絶対、』






ほら、こんな風に私の中の核心に振動を伝える。







「……じゃあ嫌いになんてなりません」



それなのに私は竜さんみたいに素直にはなれなくて。




『本当?…良かったぁ』



竜さんの言葉1つ1つ、表情のちょっとした変化が、嬉しい。





『今度は真人じゃなくて俺が絶対守るから』