嵐達は気付いてくれてるかなぁ
この人混みの中私を見つけだすのはかなり難しいはず。
迷子アナウンスのとこにいって、恥ずかしいけど呼び出ししてもらおうかな…
なんて色々試行錯誤していたのに
『あっ!!那子ちゃ……』
この人はいとも簡単に私を見つけ出してしまった。
『探したよ……っ、ごめんね、俺真人の場所探すのに夢中になっちゃって』
「そんな…、ありがとうございます、竜さん」
息をきらして走って来てくれた。
それだけで私は舞い上がってしまう。
堪らなく嬉しくなってしまって。
「でも…なんで此処が?」
『那子ちゃんいないの気付いて3人で手分けして探そうってなって道引き返してたら……、なんか頭が突き出てるこのおっきい木が目に入って、俺だったら探しやすい、あぁいうとこにいるかなって思って来てみたら……ってワケ』
「あはっ、私と竜さん思考回路一緒ですねっ」
なんだか凄く嬉しい。
私はニコニコしてるのに、急に竜さんが苦い顔をした。
『あの…さ、…昨日の……那子ちゃんの手離しちゃったことなんだけど……さ』
まさか今のタイミングで、竜さんからその話をされると思ってなかった私は、驚いて、なんだか気構えてしまった。



