携帯で真人さんの場所を聞きながら込み合う道を歩く。
「あ!りんご飴っベビーカステラも!美味しそ〜」
左右に広がる夜店に目移りしながら真人さんと電話して私を導いている竜さんについていく。
「ねぇ、一さんっ、あのお面………」
前を歩いているはずの一さんに話し掛けた
……つもりだった。
「あ…れ?皆……?」
目の前には人人人人人!!!!!
だけど嵐達はどこにもいなくて。
「…え!?一さん!永樹さん!竜さーん!!」
背が小さいからピョンピョン跳ねながら3人を探す。
私の呼ぶ声はたくさんの人の声にかき消されてしまう。
「そうだ携帯!………ってないんだった……」
私の来ている服にはポケットがついてなかったから永樹さんに入れてもらってたんだった……
「やってしまった…。
どうしよ……!」
夏には試練がいっぱいなの!?
蝉には苦しめられるし……今度はこの年で迷子!?
あぁああ、夜店に興奮し過ぎたからだ。
とにかく夜店の並ぶ道の最混雑している場所からそれて、大きい木の下に行くことにした。



