「……そう。俺たちは所詮、ヤンキーである前に一般市民だ。俺たちの力じゃ、どうにもできなかったよ」 「……梨菜はこれで、報われたかな」 「あの子は、きっと報われた。きっとこれから、何度だってやり直せる。前を向くチャンスが訪れたんだ。……もう何にも縛られなくていいんだよ、あの子は」 「……はい。そうですね」 梨菜の気持ちがこれで報われたなら、よかったと思う。 梨菜がこれでまた、やり直せるのなら。