「さ、寒いですね……」 「ほんとに寒いな。凍えそうだ」 「ですね……早く帰りましょう」 「ああ。おまえあっちだもんな、方向」 「はい。じゃあまた来週」 「ああ。気をつけてな。おやすみ」 「はい。おやすみなさい」 あたしは家に帰る方向に歩き出した。 寒さが直接顔に当たり、とても冷たくて、帰り道がとても長く感じた。 スカートを履いてる足が、震えそうだった。