「悪かったな、花火のこと」


えっ…… 花火? 花火がどうかしたの?


「みんなでやりたかったろ?」


そりゃー、まぁね。 自分の持病の“ゼンソク”があるわけだから、しょうがないと言えばしょうがないけど。

本音は、やりたかった。


「事前に俺が知っていればまおの両親に許可をもらってこれたんだけど……」


「いっくんは花火あるの、知らなかったの?」


「あぁ。 こっちきて聞かされた」


いっくんは何気にあたしの保護者変わり。

誰よりもあたしの状態を把握しているから、花火とかあたしに害があるのは避けてくれる。


「ごめんな、誘ったくせにみんなと遊べなくて」


「いいよ…… 気にしていないから」


花火なんて、やろうと思えばいつだって出来る。

ただ今は、ちょっとみんなと出来ないだけで。


寂しくなんて無い。