早くその場から立ち去ろうとした時―― 「あのっ!」 いきなり呼び止められた。 「な、何?」 「なんで……助けてくれたんですか?」 そりゃあ…… 「別に意味はないよ」 私は過去を思って助けたいんじゃない。 ただ、助けたいんだ。