「そんなに睨まなくてもちょっと聞きたいことがあるだけだ。この学校の先生のことで。」 ニヤニヤと他人をバカにしたような笑顔を張りつかせてスーツの男が聞いてきた。 ビクッと後退りしかけた私の手を更にグッと握りながら 「何もお応えすることはありません。」 気丈に返答した杏華ちゃんにびっくりした。けど、私の手を痛いほど握りしめている杏華ちゃんの手が震えてる。 …ど、どうしよう。 その時、 「何か当校に御用ですか。」 よく響く声が突然聞こえてきた。