そこにいたのは、見知らぬおじさん二人組。一人はきちんとしたスーツを着ているけど…、だけど絶対サラリーマンじゃないし、もう一人はいかにも…。
ヤ。
頭に浮かんだのは、一文字だけ。
だけど危険を知らせるかのように、その文字は点滅しているような気がする。
固まってしまった私の手をぎゅっと強く握ると、
「はい、そうですけど。」
杏華ちゃんが毅然と返事をした。
ラフな格好の少し若い方がピクッと視線を眇めたけど、スーツの方の人が「ほう…」と面白そうに杏華ちゃんを眺め回した。
やだ、この視線。
隣で感じていてもゾクッとするような冷たい視線をだった。絶対本物さんだ。どうしよう…。

