先生のお望みのまま


「希実、おはよう」


やっと学校にいったのは、それから一週間経ってからだった。


弱いなぁ、私。そんなところも子供っぽくて、ますますゴクセンに釣り合わない気がして。全てがマイナスに思えてくる。



「大丈夫?まだ、具合悪そうだよ?無理しないで、ダメそうだったら保健室行きなね?」



ほら、友達にも心配かけてる。今の精一杯で笑ってみせるけど杏華ちゃんの顔は晴れなかった。……ごめんね。




朝の出席をとる時にゴクセンにも「大丈夫なのか?」って聞かれて、うなずくしかできなかった。声を出したら、震えそうで。目も上げられなかった。




うぅ…話しかけないで。忘れられないよ、忘れちゃえたらいいのに。





どうしよう。やっぱり本当に好きみたい。消しゴムで字を消すみたいに、ダメってわかったら自分の気持ちを消せたらいいのにね。そしたらこんなに胸が潰れそうな思いをしなくてもいいのに。




やっと気づいたのに、もう忘れる努力しなきゃいけないなんて。
痛いよ…。