その後どうやって家に帰ってきたのか覚えてない…。杏華ちゃんがうまく誤魔化してくれたみたいで、お母さんはお祭りの途中で具合悪くなったと思ったみたい。「帯がきつかったかしら?」なんて言ってた。
携帯には杏華ちゃんから「無理せず明日休みな。」ってメールが入ってた。
そっか、昨日ゴクセンを見たのは夢じゃなかったんだ。
思い出したら力が入らず、またベットに倒れ込んだ。
珍しく怒った声のゴクセン。
そんなゴクセンの側に平然と並んで立っていた、お似合いのきれいな女の人。
しきりに会話に出ていたあの子の存在。
どう考えても訳有りなゴクセンの存在。
なのに、もういいやって思えない。気づいてしまった私の気持ち。
この先どうすればいいんだろう…。
考えて、小さく笑いが浮かぶ。
どうにもならないって思い知ったはずなのに…まだどうにかしたいって藻掻いてる自分が、おかしくて。

