トントン…。 「失礼します。」 「あぁ、杉下か。」 「よろしくお願いします。」 ふぅ。苦手だなぁ、進路相談…。だってどうしてもなりたいものってないんだもん。 「杉下はこのN大が第一志望でいいのか?」 ゴクセンが紙を見ながら聞いてくる。 「はい。そうしといて下さい。」 「ん?投げやりだなぁ。どうした?」 こっちを向いた先生はちょっと笑ってた。それだけでほんの少し自分も笑顔になれたことに、ちょっと驚いた。 「えっと…先生話しても大丈夫?」 「あぁ、今日は杉下が最後だ。どうぞ。」