「あのね、まず痴漢をつかまえるとね、調書をとられるわけ。何があったか、つまりこの場合どこをどんな風にどれくらい触られたかくりかえし知らない人に言わなくちゃいけないの。希実、耐えられる?」
えぇ〜!無理、絶対無理〜!
「しかも立派な犯罪だし、その人の前科になって、人生転落も充分あるわけ。」
ひ〜!そんなぁ〜。
「ま、やった犯人が悪いのはそうなんだけど、下手な場合逆恨みされたり?」
プルプル…。
「そこまで考えてかはわかんないけど、捕まえりゃいいってもんでもないからねぇ…それにあんたの意見をちゃんと確認したってとこを相手に見せたのも、知り合いってわからせるためかもねぇ。」
そうなんだぁ〜。全然わかんなかった。
「ま、ゴクセンがあの顔でマジに言ったんなら、もう二度とないでしょ。よかったね。」
「うん…」

