「そっかぁ…いい人に拾われてよかったねぇ。 すごく元気そう。 よかった、よかった。」 思わず涙ぐみながら抱き上げると、空振りの猫パンチをくりだしてきた。 「やっと笑ったな…」 ゴクセンが何か言ってたけど、猫に夢中でよく聞こえなかった。 「えっ?何?」 「いや、今日は家が留守で、仕方なく連れてきたんだ。すぐ脱走しては怪我して帰って来るからな。杉下が猫が苦手ならケースに入れておくから…」 そう言って足元から前が網になってるハードのケースを出した。