はああぁぁぁ………
もしもし?杏華ちゃん?
そんな内臓まで空っぽになりそうなほど脱力しなくても…
「えっと…大丈夫かな?」
ちょっとの間があってから
「何とかね…」
やっと顔を上げた杏華ちゃんがもういつも通りの表情だったのにホッとして、思わず手を握ってブンブン振ってみた。良かったね、復活できて。
「こんなんで大丈夫かね。自覚なさすぎるし、危なっかしいったら。」
何か呟いてる杏華ちゃんに
「え?何?」
聞き返しても首を横に振るばかりで、教えてくれなかった。
だから…。
保健室の扉のガラスに影が映っていることも、私はちっとも気づいてなかった。

