先生のお望みのまま


「えっ!夏休み明けって…そんな前から?どうして?何で?何か言ったっけ?」



本気で思い当たらないから真剣に聞いてるのに、杏華ちゃんてば視線がどんどん氷点下。目が合わせていられなくなって思わず窓越しに空を見たりして…。



「希実は私にも隠すつもりだったんだ。へぇ~」




こ、怖いよ?杏華ちゃん?


「いや…隠すっていうか、相手が相手だから言えなかったっていうか…だって気づいたの最近だもん。」




「はい?まさか希実。あんなに嬉しそうに私に補習の報告しておいて。あんなに私の隣で落ち込んでおいて…っと、ごめん。とにかくあんなにわかりやすく反応してて、最近まで気づいてなかったって言うか!」




「はいぃ!ごめんなさい!気づいてなかったです!」



杏華ちゃんのあまりの剣幕に、思わず力一杯謝ってしまった…。